過去のマルチ商法

当サイトは学生たちの間で流行っているマルチ商法などを紹介し、少しでも被害者を最小限に食い止められれば本望という趣旨で開設した。
そこで、マルチ商法とはそういうものか、過去の事例を挙げつつ説明したいと思う。

私が記憶する限りでは、マルチ商法が学生ローンを悪用し、金を借りさせて投資させるというスタイルが確立したのは、1990年代あたりからだと得る覚えに覚えている。
最も印象的だったのは、ウィーズインターナショナルとスカイビズだ。

ウィーズインターナショナルは、確か九州に本社を構える化粧品販売のマルチ商法である。
特徴として、そのビジネスに参加する者は成人・未成年を問わず、やり口があまり利口ではなかった記憶がある。
あまりにも強引な勧誘と、ずさんなクレーム対応が仇となり、営業停止命令まで追い込まれた会社である。
彼らの行き過ぎた勧誘は、未成年までも巻き込んでの強引な勧誘手口にあった。
勧誘員たちは獲物をなんとしてでも落とすべく、最後は数人で取り囲み、半ば強制的に契約をさせていた事も問題となり、社会現象にまで発展した事で、今でも鮮明に覚えている。

しかし、一番強烈に覚えているのは、スカイビズをおいて他にない。
アレは正気の沙汰を超えていたように思う。
被害者の多くは未成年者で、一日に多い時で50人ものスカイビズ目的で、学生ローンで金を借りていたというから凄い。
学生ローンは繁盛でそこだけ見ればいう事はないのだが、このような過剰にエスカレートしたビジネスは必ず崩壊し、その後の処理が面倒になるものだ。
最も多いトラブルが、未成年者の取り消しだろう。
未成年取り消しは、1件1件が非常に手間がかかり、しかも元金のみで和解するケースが多い為、薄利重労働となる。
しかも、中には元金すら払わない者も出てくる為、結果としてマイナスになることさえある危険な債権なのだ。
スカイビズの手口は、ホームページの作成ツールを16万円で販売するという名目の、実態は紹介料目当てのマルチ商法であった。
間にホームページ作成ツールという「商品」を介在させる事により、勧誘の理由付とネズミ講対策としていたのかもしれない。
商品に実態がなければねずみ講となり、犯罪になるからだ。
したがって、マルチ商法の多くは、何かしらの商品が存在する事がほとんどである。
だが、その商品はみせかけだけであって、実際は人を勧誘する事で得られる報酬がメインなのである。
これが、マルチ商法の実態だ。

最後にもう一つだけ紹介したい。
どう考えても理解に苦しむ、ネットワークビジネスと呼んで良いものかどうかさえよくわからない事件だった。
そのビジネスは、アルバイト詐欺である。
そのビジネスの内容が驚くもので、学生ローンから金を借りてくる事がアルバイトという内容だ。
借りたお金は詐欺師に渡し、その中からアルバイト料として5千円~3万円の報酬を受けるというにわかに信じがたいものである。
どう考えてもおかしな話だという事が、なぜわからないのか?
ここまで来ると、騙される方にも責任がないとは言えないレベルだろう。
しかし、このビジネスの被害者数は数百人、あるいは1千人規模であると言われる膨大な数である。
通常、こういった類のビジネスは短命で終わる事が多いが、このアルバイト詐欺は長期に渡って持続した特徴を持つ。
なぜ、これほどまでに浸透したのだろうか?
おそらく、短期(僅か1時間程)で5千円~3万円ものバイト料が入るとこのが、欲に目が眩んだ者の冷静な判断力を鈍化させたのだろう。

以上、今までで記憶に残るマルチ商法の中でも、特にインパクトの強い3点を紹介した。
今後、これらを凌ぐネットワークビジネスが流行らない事を願うばかりである。